忍者ブログ
版権二次創作を含んだ非公式ファンブログです。各版権元様とは一切無関係です。コードギアス、咎狗の血、デュラララ!!、その他について書き散らしております。え゙…と思われる方は、×(ぽちっと),←(ぽちっと)でさよならして下さいませ。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

drrr!! 静臨←幽です。
何か突発的でした(笑)ちょっと楽しかったかも~。
意外に気に入っていたりします。











「兄貴、臨也さんとうまくいってるの?」
「はぁ?!何言ってんだよ。いきなり何だよ」
「だって兄貴、高校入った頃には毎日毎日、
 帰る度に臨也さんの名前叫んでたのに…」
「……」
「最近は、全然一言も言わないから、
 ラブラブよろしくやってるからかなと思って」
「何で俺があのノミ蟲野郎とラブラブよろしくやらなきゃいけなんだよ。
 てか、それよりそういうセリフを無表情のまま
 淡々と抑揚もなく喋るなよ、幽」
「あ、そうなんだ」
「……」

平和島家の食卓。
目の前には、冷やされたレモンティと牛乳。
食事も終わって(といってもコンビニ弁当だったりするのだが)、
今日も一日お疲れさまでしたと何となくユルい空気が流れていたその時に、
無表情で静雄に爆弾を投下した幽だった。

平和島兄弟はいつもはとても静かだ。
それは仲が悪いとかそういうことではなく、元々あまり喋らない幽と、
感情の起伏が激しいとは言っても本当の所、穏やかでいたいと望んでいる静雄と、
それは当然のことであって。
とはいえ、会話がないわけではなく、
これは平和島兄弟にとって久しぶりに訪れた弾んだ会話の始まりだった。

「毎日毎日、名前を呼ばれる臨也さんが羨ましいなと思ってたんだ」
「今度は何だよ。オマエの名前だって毎日呼んでるだろ?」
「そうじゃなくて、兄貴と俺は同じ家に住んでるわけだから、
 毎日こうやって食卓を囲んで、一緒に生活してるけど、
 実際に同じ時間を共有してるのって毎日学校で会う臨也さんの方が多いよね。
 それなのに、飽きもせずに毎日毎日『臨也、臨也』って。
 それって好きだからでしょ?」
「んなわけねぇ。絶対にねぇ。
 あのノミ蟲には死んで欲しいと願ってるんだ。
 好きとかあるわけねぇ。絶対にねぇ!」

静雄の額に青筋がピクっと立った。
けれど、幽はそれを見止めても全く動じる気配はなく、
相変わらずの読めない表情のまま静雄をじっと見る。

「そう。でもそれって兄貴がわかってない、気がついてないだけで
 他の人が第三者的目で見れば、そうだと思うのは間違ってるのかな?」
「幽、オマエ俺に喧嘩売りてぇのか?
 例え第三者的目で見たとして、そういう風に感じることもあるのかもしれない。
 けど、当の本人の俺がないって思えばないんだよ。
 あのノミ蟲野郎が好きなんて、一切ないし、天地がひっくり返ってもない!
 それだけは断言できる」
「そう。
 俺は、兄貴好きだよ」
「……幽、オマエ今日はどうした?オカシイぞ」
「そんなことないよ。たまには兄貴と話してみたいじゃない?」
「お、おう」

一点を見つめながらグラスを手に取る静雄は嬉しそうだった。
幽から、そんなむず痒いような言葉をあまり貰ったことがないからかもしれない。
先ほどの“怒”は消えて“喜”に変わった。

この二人、最近では、というか男兄弟では珍しい、
お互いを特別でも何でもなく好いている稀有な兄弟だった。
只々自然に、そうだった。

小学、中学と静雄と幽はいつもほとんど一緒に行動していた。授業以外。
それが当然のことだったし、何も疑問に思うことはなかった。
変化があったのは静雄が高校へ進学してから。

小さい頃からの人並みはずれた力のせいで静雄は怪我ばかりだったけれど、
極力抑えよう、控えようとしていて、そこまで頻繁ではなかった。
けれど、高校に進学して折原臨也という人物に会ってから怪我は絶えなくなり、
そして静雄の口から毎日ように「ノミ蟲臨也」と罵る声が聞こえるようになった。

二人(だけ)の世界は、様子を変えた。

何かが変わった、変わっていくことを幽は知っていた。
静雄は全く気がついていなかったけれど。

しょうがないと、変わらないものなんてないと、そんな風に思っていた。
少しの寂しさと切なさと。
それはしょうがないことだと。
自分の“楽”が静雄の“楽”で、静雄の“楽”が自分の“楽”なのだから。
しょうがないと。
兄貴は怒ってはいたけれど、楽しそうだったから。

何かが消えて何かが生まれたんだと思った。

穏やかな幽が静雄にとって必要不可欠だった。
けれど、それは“穏やか”が必要なのであって、
“幽”でなくてはならなかったわけじゃないんだろうか。

胡坐をかいていたわけじゃなく、当然のことだと思っていたことが、
当然の自信が揺らいでいく。

だからこうしてたまに試すのかもしれない。
不毛なことだと知りながら。言葉がないのを補うように。

「ありがとよ」

聞こえたその声にふわっと波が揺らめく。
不器用な自分たち。それなりのハッピーなのかもしれない。

きっと兄貴は臨也さんのことが好きなんだろう。
そして、少なからず臨也さんも兄貴のことを好いているんだろう。
本能と理論と。
その対極がそんな感情を生んだのかもしれない。
本当の所はよくわからないけれど。
話だけで本当に二人でいる所は見たことがないし、見たいとも思わない。
俺にはそんなに関係がない別の話だ。



   -やがて恋が腐り切って溶ける頃には-


PR
この記事にコメントする
Name
Title
Color
Mail
URL
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret(管理人のみ表示)
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
更新状況
(08/22)
(08/08)
(07/26)
(06/04)
(05/31)
こんな人
HN:
祐稀(まさき)
性別:
女性
自己紹介:
女子です。腐女子です。
基本、ユルいです。

ギ/アス猛烈愛
ルルは右属性です。
女子相手でも右です。
言ってしまえば、総受です。
スザルル・シュナロイを取扱中です。

BLゲーム 咎狗の血
シキアキ&グンアキ愛
グンジが可愛くてしょうがありません。
グンアキを取扱中です。

drrr!!(現在アニメのみ)好きww
シズちゃんがすごくすごく好きです。
けれどdrrr!!はみんな好きだ!
静臨を取り扱い中です。

バンギャ?であったりします。
月と海の四弦さん好きです。
虹の歌うたい(ちっちゃいおっさん)が
世の中で一番好みです。

づか好き芝居好きです。
づかはどの組の大劇にも1回は出没します。
コメント
[09/11 儀瀬]
[03/02 儀瀬]
[02/04 きり]
[12/06 きり]
[10/22 祐稀]



Copyright ©  NOWHERE  All Rights Reserved.





忍者ブログ [PR]