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版権二次創作を含んだ非公式ファンブログです。各版権元様とは一切無関係です。コードギアス、咎狗の血、デュラララ!!、その他について書き散らしております。え゙…と思われる方は、×(ぽちっと),←(ぽちっと)でさよならして下さいませ。
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はっぴーばーすでい!ルルーシュ!

生まれきてくれてありがとう!
感謝の意を表し、ルル誕SSです(笑)
言わずもがな、スザルルです。

諸注意として…

舞台は、ブリタニア?エリア11?なんですかそれ?な感じです。
アッシュフォード学園は出てきますが、日本の学校みたいです。

ルルとスザクは普通高校生です。ですので、若干性格が違います。
ナナリーは心体ともに、元気です。

全力でらぶこめです!(爆死)
かいている本人もびっくりしてました(今でもしている)
驚きついでに、ベッタベタなその辺のBLドラマCDを目指しました。
申し訳ございません(平謝り)





12月初旬。
期末考査や何やらが行事予定表に上ってきて、
そのテストを何とか終わらせてしまえば、冬休みという状況で、
休暇の間、どう過ごすかをワクワクしながら考え、
そして、クリスマスまで1ヶ月をきり、
通常の一般的学生ならば、お目当ての相手をどう誘えば…などと
何故かしら盛り上がってくる時期である。

ここにもその類の高校生が一人。
授業が終わったあと、ルルーシュが荷物をまとめていた所にやってきた。

「ルルーシュ!クリスマスどうすんの?何か予定ある?」

「リヴァル、その前に期末試験があるだろう…。
 それに、クリスマスにいくら予定がないからと言って、
 誘って欲しい具合に男の俺に声をかけるなよ、情けない」

「うっ…期末試験の事はまだしも、その次の言葉は辛いって」

もうちょっと優しくしてくれよ~とがっくりと肩を落としているリヴァルに
ルルーシュは困ったヤツだ・・と苦笑してみせた。
そう、リヴァルの想い人には婚約者がいるので、
一緒に過ごそうと告白すらできない。
(…かわいそうなヤツ)
多少の同情をしてやらなくもないとルルーシュは思いながら、
そういえば、球技大会の進行表を提出しなければ…と、
もう他の事に気を取られていた。
生徒会の仕事で、年を越してはならないものがいくつかあり、
それを片付けてしまわなければならないし、
学生にとっては大事な期末考査もある。
ルルーシュにとって、普通に授業を受けていれば、
テストは簡単なモノだったが、如何せん見栄っ張りな性格のため、
ただ、テストをパスするだけではなく、高順位、高得点でなければ
気がすまないので、多少なりとも勉強する時間もいる。
することは山盛りで、優先順位は確定されているが
目の前のそれらに精一杯で、ルルーシュは自分の誕生日が
近づいていることなど、綺麗さっぱり忘れていた。





机の上に置かれた『巨大!?ボーリング大会☆☆』の資料に
頭痛を感じながら、しょうがなくルルーシュは口を開いた。

「会長、これはなんですか?」

「あ!ルルちゃん、見てくれた?」

見て!と言わんばかりに目に付くところに置いておき
そうわざとらしいセリフを吐くのは、誰であろう
この意味のわからない大会を立案し、
ご丁寧に無駄になるであろう資料を作った張本人、
生徒会会長のミレイ・アッシュフォード、その人である。

「はい、…だからお聞きしているんです、これは何かと」

「見てオワカリのよーに、ボーリング大会のご案内よ!
 おもしろそーでしょ?」

にっこりと綺麗な笑顔を浮かべたミレイに、
それに負けない美しい笑顔を返して一言。

「却下です」

「え~、どうしてよ!この私が考案したのにぃ。
 それにれっきとした球技だし!」

「手短に言います。時間がありません。球技大会まであと少しなんです。
 それに、競技内容もそれに参加する生徒もすでに決まっています」

「なんとかなるさっ!大丈夫!」

「何といわれても却下です。日がないのもありますが、
 それでなくても仕事は山済みで、
 おまけにその前に期末試験もあるんです。
 これ以上、その事については協議はしません」

え~、ルルちゃんなんて特に勉強しなくても大丈夫じゃない…と
目の前でリヴァルとシャーリーを巻き込んでブツブツいっているミレイを
綺麗に無視して、ルルーシュはパソコンに向き合い、
部費等の処理、所謂会計の処理作業にかかった。



(よし、文化部系は終了。次は体育会系か…)
疲れを感じつつも、今日のノルマ分は済ましてしまおうと
固まった体を少し解して、また画面に集中するが、
ふと一つの単語を見つけて指を止める。

『剣道部』
(・・・帰ってくるのは明日か)





枢木スザクは、ルルーシュ曰く---体力馬鹿---と評される
ルルーシュと同い年、剣道部に所属し、また同じ生徒会役員の少年である。
彼らの通っているこの学園は大学までエスカレーター式で上がれるため、
幼稚園の頃からずっと一緒の腐れ縁。
故に、彼はルルーシュとは長年の友人であり、また恋人でもあったりする。

ルルーシュは、普通の高校生であり、
学園内で一番綺麗だと謳われ、ファンクラブまで存在するというのに
恋愛沙汰にはまったくもって疎い人物だった。
故に、そこは程よい頃合をみて
長年の経験とルルーシュの性格を熟知しているスザクが、
どこで習得したのかは怪しいが
押して引いての巧妙な作戦で、“恋人”という位置を獲得した。

「初めて会った瞬間に僕のお嫁さんにするんだって決めたんだ」

最初から決まっていた事だと、誇らしげにそう言うスザクの想いに、
ルルーシュが敵うわけがなく、小さな小さな声で承諾の言葉を口にした。

それでも、スザクが好きで、恋人同士となる事は受け入れはしたが
ルルーシュが“男”であると認知した後も、
スザクが『僕のお嫁さんにする』という想いを突いているのには、
ルルーシュも流石に抵抗があるらしい…。



「期末試験まであと少しなのに…」

2日間の遠征・親善試合が決定した後に
所謂、膝枕をしてもらって寝転び、ルルーシュの髪に指を滑らせながら、
スザクは不安そうな顔をしていた。

「仕方ない、と言うよりほかないんじゃないか?
 主将の御前が出向かなきゃ意味ないだろう。
 それに、結構強いチームもいるらしいじゃないか。
 鍛錬と思っていってこい!
 この時期に日程が平日なのがよくわからないが」

「そうなんだけどね…試験もあるけど……」

ルルーシュは寂しくないの…?と、スザクのファンが
見れば卒倒しそうなくらいの甘い顔をして聞いてきた。
ルルーシュは一瞬顔を緩めたが、気を取り直しスザクを宥める。

「寂しいさ。でも、こればかりは仕方ない。
 それに、合宿とかで会えなかった事は何度もあるじゃないか。
 夏の合宿なんて1週間だったぞ?
 それにくらべれば、大したことないだろう」

「そうだけど…」

同じ言葉を繰り返すスザクに、しつこいぞっ!と
ルルーシュはスザクの鼻をつまんで笑う。


人に好かれていると感じるのは、とても心地の好いものだと
ルルーシュはスザクによって初めて教えられた。
勿論、家族に愛されているルルーシュであるが、それとはまた別なもの。
こんなに甘やかされ、愛されて、ふっと目の前から消えられたら
自分はどうなってしまうのだろうと、ふと思う時がある。
それはそれで仕方ないと諦めてしまえるものなんだろうか?それとも…。
実際、起きてもいない事をあれこれ考えてみても、
答えは一向にでてこない、時間の無駄だとわかってはいるものの、
考えられずにはいられないのが、恋する者の宿命。
スザクに話せば、軽く「そんな事は一生起こらないから安心して」と
にっこり笑って一言で終わらせられそうなものなのだが、
そこに甘んじても大丈夫なのか?と新たにいらぬ想いが芽生え
結局ネガティブにぐるぐると悩みだす始末。
ルルーシュ・ランペルージ、齢17歳、青い春の真っ只中。


鼻をつままれた方のスザクは苦しいよー!と訴えながらも
幸せそうに笑っていた。

「まぁ、決定事項だし、行って来るよ。
 ・・・・そうだ、お土産何がいい?」

「御前、遊びにいくんじゃないんだから」

「そうだけど、それくらいの楽しみがなきゃ。
 ルルーシュ、何が欲しい?今欲しいものとかないの?」

「・・・、ない。な」

「えー、もうちょっと考えてよ。ほら」

「特にないんだ、欲しいもの。本当だ」

「う~ん、じゃあさ、向こうにいってる間に思いついたらメールしてよ。
 電話とかはさすがにできないと思うから」

約束だと小指を出してくるスザクに苦笑しながら、
わかったと自身の小指を絡ませた。

「親善試合とはいえ、勝ってこいよ」

「ルルーシュが応援してくれたらね」

応援してるから言ってるんじゃないかと口を開こうする前に
ルルーシュの口唇はスザクによって塞がれていた。





今、何してるんだろう…と思いを馳せ、
ルルーシュはキーボードから手を離し鞄の中から携帯を取り出した。

着信ナシ。メールナシ。

当たり前か…、自嘲気味に笑うが、何となく寂しくなってきた。
出発の前にスザクがあんな風に言わなければ、
たった2日のことで、公の行事のことで、
さして気にもしていなかったかもしれない。
授業、部活、生徒会etc...、学生の自分たちは、
四六時中、側に、一緒にいられるわけじゃない。
合宿の時だって、最後の1日2日はまだなのか…と
焦れたりはしたけれど、そこまで気にしなかったのだから。
「あの馬鹿…」
呟いた後に、ルルーシュは短いメールを1通送った。


ルルーシュのそんな様子を見たミレイが声をかけた。

「どうしたの?ルルーシュが仕事の合間にメールしてるなんて
 珍しいじゃない。何、なに?彼女とか~?」

ミレイの言葉にピクっと反応して、一斉に耳がダンボになる生徒会の面々。

「そんなのじゃないですよ。
 ちょっと頼まれ事をしたので、それに了解の返事をね」

「ふ~ん。その割に切なそうな顔、してなかった?」

「そうなの?ルル、彼女いるの・・・・?」
「ルルーシュ、俺はそんなこと一言も聞かされてないぞ」
「ルルーシュくんの彼女なら綺麗な人なんだろうな」

ルルーシュは瞠目してしまいそうな自分を何とか抑えた。
何故、この人はそういうことに目敏いんだろうか…やっかいだ。
ここで、動揺して気付かせては今までの苦労が水の泡。
それに帰宅するまで延々と詰め寄られるのが面倒だ。

「会長の気のせいですよ。
 それより、進行表のチェック、していただけたんですか?
 今日中に提出予定ですよ」

「む。だからね、ルルちゃん!ボーリングを「ダメです」」

「もう、ルルちゃんのいけず~ぅ」

ミレイと他の面々の気を逸らすことに成功したルルーシュは、
ボーリング大会の案を熱く語っているミレイをまた綺麗に無視して
続きの作業をするべくパソコンの画面に向かった。





次の日、ルルーシュが帰宅して、部屋で食事の前の時間に寛いでいる時、
控えめなノックの音が聞こえた。
どうぞ…と声をかけた後に扉を開いたのは妹のナナリーだった。

ルルーシュが溺愛する年が2つ下の妹ナナリーは
同じアッシュフォード学園の中学に通っている。
両親が共に留守がちで、家にいるのが二人だけになる事が多かったため、
必要以上に溺愛するようになったのは、必然的なのかもしれない。

ナナリーはルルーシュとは雰囲気が違い、
ルルーシュの容姿を美しいと形容するなら
ナナリーは可愛いと形容することが適している。
ブラウンの美しい天然のウエーブのかかった髪を腰まで伸ばして、
一見大人しそうに見えるが、実際は活発で好奇心旺盛、
ルルーシュよりもフットワークは軽い。
ただ育ちは良いので、やはり品があり、
学園内のみならず他校の男子生徒から告白される事が多々あり、
その都度ルルーシュは激怒し、また心配し、
時にはわざわざ相手の所まで出向き、諦めろと一喝することもある。
そこまでルルーシュに想われているナナリーも
負けず劣らず兄であるルルーシュが大好きで、
理想はお兄様だと周りに公言して止まない。
どこをどう切ろうとも同じ金太郎飴的に
誰がどうみても超のつく、シスコン、ブラコンな兄妹だった。

「お兄様、夕食の用意ができたと咲世子さんが…」

「あぁ。ありがとう、ナナリー。今行くよ」

「お兄様、最近の様子はどうですの?
 なんだかお忙しそうで、お疲れのように見えますけど…」

「そうなんだ、生徒会の仕事も冬休み前に大詰めだし、
 期末試験もあるしね」

「少しでも、私でお手伝いできることがあればいいのですが…」

「ナナリーの応援さえあれば、それだけで嬉しいよ」

にっこりとルルーシュのファンが失神してしまうくらいの
最上級の笑顔を妹に向ける。

ナナリーにすればそれはいつも通りの優しい兄の笑顔である。
だから、一部のファンからしてみればナナリーは羨望の的だった。
そんなファンの一部が妹であるナナリーに近づけば
ルルーシュと一気に仲良くなれるチャンスが…!
と棚からボタモチ作戦を考え、実際にチャレンジする人もいたのだが、
何故か実行に移したその翌日には、
ルルーシュのファンだと公言することも、また生気さえもなっているという。
周りではナナリーがあまりに可愛い顔で「お兄様を取らないでください」
なんて言葉を発するがために「敵わない・・・」と
思ってしまうからでは…と憶測が飛んでいるが、
そうなってしまった生徒の誰一人として
理由を口にしようとはしないので、事実は謎のままである。
今でも時々、被害者?が出るらしいが、
多数派のルルーシュのファンクラブ内では、棚からボタモチ作戦は
禁止事項として定められたようだ。
余談だが、他の一部のファンの間では密かに
『ルルーシュ×ナナリー』という同人誌が出回り、
たいそう盛り上がっているらしい。


何度も言うが、この超のつくブラコン、シスコンな
兄妹の間に唯一入っていけるのがスザクである。
幼稚園の頃からランペルージ邸に出入りしているスザクであるから、
ナナリーとも仲良くなるのは、当然といえば当然のことだが。

ナナリーもだが、ルルーシュとスザクの間柄は互いの家族で公認である。
(勿論、一番仲の良い友人としてだが)
その昔、スザクが自身の両親に向かって
「ルルーシュを僕のお嫁さんにする」と宣言した後、
ルルーシュの両親に「ルルーシュを僕のお嫁さんにください」と
幼い時分ではあったが、きちんと三つ指をついて申し出て、
ルルーシュの両親も「スザクくんなら、しかたがないなぁ…」
と承諾したという面白いエピソードがある。
しかしながら、スザクの両親、ルルーシュの両親と
申し込まれた当のルルーシュでさえ、忘れ去っている。
ただ、スザクと、もう一人、ナナリーだけはしっかりと記憶しているらしい。






夕食後、珍しく「リビングでお話しませんか?」とナナリーが誘ってきた。
期末試験の勉強をする予定にしていたルルーシュだったが、
可愛い妹のお願いを無下に断ることはできず、
コーヒーとともに、ナナリーと楽しく談笑していた。
そうしていると、玄関のベルが鳴った。
時刻は21時半過ぎ。
咲世子を先に休ませたため、ルルーシュは誰だろう…と考えながら
インターフォンのディスプレイに向かった。

(え?)
そこに居たのはスザクだった。そして、何やら正装している気がする…。
何事だ?と訝しみながら、玄関へと赴いた。

扉を開いてみると、やぱりスザクは正装だった。
ネイビーのシャドーストライプのスーツ、
中には、光の加減でわかるようになっている
白地に光沢のある細い白線のストライプのシャツ。
それにネクタイ、靴はきちんとした革靴だ。

頭の上に?をいくつか並べながら、スザクを見つめるルルーシュを
(可愛いなぁ…)と思いながらスザクは、手を前に伸ばした。

「ルルーシュ、行こう!」

「は?どこに?」

「いいから、ほら」

言い終わらないうちに、スザクがルルーシュの手を引いたので、
ルルーシュの足は勝手に前に進む。
後ろから遅れて出てきたナナリーを見つけて

「ナナリー、ルルーシュを連れて行くよ」

笑顔でスザクは告げる。俺の気持ちはどうなる!と叫ぼうと思えば

「明日のパーティまでには返してくださいね」

とナナリーの声が聞こえてきた。
ナナリー!?と思って後ろを振り返れば、
「いってらっしゃいませ」と可愛い笑顔で手を振ってくる。
一連のことに呆気に取られている間に、ルルーシュは車に乗せられ、
半ば拉致気味にスザクに連行された。


「スザク、どういうつもりだ!」とルルーシュは散々スザクを非難し、
文句をまくしたてたが、車の中ではスザクはだんまりだった。
そして、ルルーシュが乗せられた車が停まったのは、
その名前を誰もが一度は耳にしたことある高級ホテルの前。
「スザク、御前…」とまた呆気に取られていると

「ん?大丈夫だよ、ルルーシュ。
 使えるうちに親の金とコネは有効に使わないとね。
 どうせ、後々に嫌でも出世払いさせられるんだし」

何ともない様子でスザクはさらっと言った。
「それに、急だったし、やり過ぎは注意だと思ってランクは一つ下げたし」
理解不能な言葉も添えて。


(いったい何なんだ!どういうことなんだ!)
部屋についてから、延々とブツブツ言っているルルーシュは
それはそれは不機嫌だった。
物事が自分の知らない所で動いていくのがルルーシュは一番嫌いだった。
何でも把握しておかなければ、嫌だという性分なのもあるが、
イレギュラーな事には自分が弱いことがわかっているからだ。
しかも、自分の様子を見て、
スザクが苦笑しているのもわかって余計に癪に障る。
(俺の予定がっ!)


さすがのスザクも、ここまできてまだ気がついていない
ルルーシュを見て苦笑せざるを得なかった。
(記憶力も抜群にいいのになぁ…どこかヌケてるんだよね。
 ナナリーさっきの言葉で気付いてもよさそうなもんなんだけどな)
けれど、惚れた欲目もあり、スザクは本日二度目の
(可愛いなぁ…)という思いに囚われていた。


初めて会ったときに、すべてをもっていかれてしまった。
この世でこれ以上に“美しい”は存在しないんじゃないか…
そう幼心に思った。
今でもその想いは変わっていない。
ぶっちゃけ、平たく言うと、超のつく好みだった。
好みというのは、年を重ねるうちに、視覚、聴覚、
その他さまざまな経験を重ねて、決定し、変わっていくものかもしれない。
けれど、スザクのそれは変わらなかった。
涸れるどころか、年を重ねていくうちに
いとおしいと想う気持ちは膨らんでいくばかり。
自分は大丈夫なんだろうか?おかしいのか?なんて考えたことはない。
スザクは、天然で策略家、ロマンチストなリリカル少年である。


いつものように、このままじゃ埒があかないな…と
先に動いたのはスザクだった。

「ルルーシュ」

「・・・・」

「ただいま」

「・・・・」

「学校で解散して、必死で頑張って、ルルーシュに会いに行ったのに、
 おかえりも言ってくれないの?」

「おかえり」

ルルーシュの棒読みの言葉に、スザクは堪らず吹き出して笑ってしまう。
一方のルルーシュは大きく目を開いて、不愉快だ!と視線をなげる。
「ごめん…」と手を前であわせて謝りながら、
スザクはルルーシュの隣へ移動した。

(あ…、お許しがでたみたいだ)
先ほどまで、スザクがルルーシュの隣に座ろうと試みると、
スザクが腰を下ろした瞬間にルルーシュが立ち上がって
向かいのソファへ移動する、なんていう可愛らしい行為が
繰り返し続いていたのだが、そんな二人の間にも
明るし兆しがみえてきたようだ。

「ルルーシュ」

「何だ」

「ただいまのハグしてもいい?」

「!・・・・」

数秒の後、ぼそっと「いいぞ」と可愛らしくない言葉を吐きながら、
なんとも可愛らしい顔をして、ルルーシュは言った。


この腕の中はひどく心地がいい。
安心する、そして元気になれる。
スザクもそうであればいい…。


「おかえり」
腕の中からルルーシュはもう一度棒読みではない言葉を口にした。
「ただいま」
とスザクもそれに応えて、キスを一つ落とした。
ルルーシュの機嫌は完全に良くなったようで
(よかったぁ)とスザクはひとりごちた。

恋人のハグひとつ、キスひとつで、
機嫌が直ってしまうの事も、恋する少年の技。


「それで、試合勝ったのか?」

「勿論!ルルーシュが応援してくれてるのに、負けるわけにはいかないよ」

いつも応援してるじゃないか…、だからいつも勝ってるでしょ?
そうやって、いつも通りの二人に戻り、
お互いに離れていた1.5日間の間のことを報告しあった。


「で、話は変わるが、どうしてここに来る必要性が?」

「え…?ルルーシュまだ気がついてないの?」

「だから、何だ」

「あ~、えーっと、このスーツかっこよくない?
 学校から店に直行して、選んで買ってみたんだけど」

「……、かっこいいと思うけどって、御前、
 それで話を逸らそうとしも無駄だぞ!」

「うっ・・・・・え~とね」

スザクは困惑しつつ、見ていたルルーシュの顔から視線を外し、
すっと自分の腕時計に目をやる。
視とめて顔が綻んだ。
(上出来)
また頭の上に?をいくつも並べているルルーシュをみつめながら、
3・2・1…とカウントダウンしながら、ゆっくりと口を開いた。

「ルルーシュ、誕生日おめでとう」

とても嬉しそうな顔のスザクと、呆然として口が開いているルルーシュ。
可愛い顔が台無しだよ…と笑いながら、スザクは同じ言葉を繰り返し、
ルルーシュの頬にキスを送った。

「Happy Birthday!Lelouch」

……、やっとルルーシュの思考も回り始める。
(誕生日…[忙しさと、少々の寂しさで]すっかり忘れてた)
漸く理解できたルルーシュは大笑いを始めた。
そんなに笑わなくても…とスザクに言われながらも、
ルルーシュの笑いは止まることがなく、
落ち着いたのはたっぷり5分後のことだった。





「それで、どうしてこんな所まで?」

「それは日付が変わる瞬間に、誰にも邪魔されずに
 一番におめでとうって言いたかったし、
 それに、プレゼント兼お土産を堪能できそうな所がなかったから」

「プレゼント…?お土産?どこにあるんだ?」

「え?ルルーシュがメールしてきたじゃないか。
 あれって“僕”がよかったってことでしょ?まぁ、馬鹿は余計だったけど」

「あれは…」言いかけたが、その先をルルーシュは飲み込んだ。
スザクの読みはあながち間違ってはいないから。

「ありがとう」
スザクを真っ直ぐ見つめながら、ルルーシュは礼を述べる。

「お気に召した?」
仕立てのいいスーツを纏ったプレゼントがそう聞いてきた。
























------------------------------------------------------

12/3 17:10
To スザク
From ルルーシュ
Sub non title

早く帰って来い、馬鹿

------------------------------------------------------

兎に角、
Happy Birthday!Lelouch!!なんです。
中身はないけど、愛はいっぱいだからっ!(笑)
ぐだぐだと無駄に長くなってしまいました。

この設定で他に書きたいなぁと思っていたり(ぼそぼそ) 

ちなみにスザクのスーツですが、
生地はLANVINのもの、
仕立てはD'URBANくらいで想像してください(笑)
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出遅れた
ルルーシュ誕生日おめでとうってもう日付変わっちゃいましたぁぁ

間に合ったんだねルル誕(笑)なのに私は出遅れたよ
嗚呼、何故こんなに仕事が忙しいのぉ昨日絶対読みに来ようと思ってたのに、連日の激務&残業…読む暇なかったよぅ

なので今から速攻読むよ祐稀さん感想はまた後ほど
きり 2007/12/06(Thu)00:14 編集
何とかね、間に合ったよ!
ゆっくり読みよし~。明日は休みなんだし(笑)
祐稀(まさき)   2007/12/06(Thu)00:48
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祐稀(まさき)
性別:
女性
自己紹介:
女子です。腐女子です。
基本、ユルいです。

ギ/アス猛烈愛
ルルは右属性です。
女子相手でも右です。
言ってしまえば、総受です。
スザルル・シュナロイを取扱中です。

BLゲーム 咎狗の血
シキアキ&グンアキ愛
グンジが可愛くてしょうがありません。
グンアキを取扱中です。

drrr!!(現在アニメのみ)好きww
シズちゃんがすごくすごく好きです。
けれどdrrr!!はみんな好きだ!
静臨を取り扱い中です。

バンギャ?であったりします。
月と海の四弦さん好きです。
虹の歌うたい(ちっちゃいおっさん)が
世の中で一番好みです。

づか好き芝居好きです。
づかはどの組の大劇にも1回は出没します。
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