首－8－

drrr!!　幽静（静臨ベースたぶん）です。
以前拍手に使っていたのをうｐしました。
あたしの中ではガツガツ→静臨、ねっとり→幽静というのがありまして、
そんな感じです（って？？笑）






 

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「目、つぶって」
「何だよ、いきなり」
「……」

触れたい。触れよう。
初めて思ったのはいつのことだったか。
覚えていない。
そうすること、そう思うことが当たり前－、当て嵌まるのはそれ。
触れることなんて自分たちの関係性でそれは日常的、ごく当たり前のこと。
けれどそれが意味があるか、意味がないか、
意識しているか、意識していないか、
その二つには大きな差があって。

兄貴は感情で生きていて、俺は感情で生きていない。
両極端と表されるのかもしれないけれど、そうじゃない。

兄貴も感情、俺も感情。
結局一緒なんだ。

だからどうしたって言われればそれまで。
なんでもない。

兄貴は騙されてくれていればいい。
こんな自分がいることを決して知らずにいればいい。

何も思わずに、こうして俺の願いを叶えてくれる。
そのままでいて欲しい。

表情には決して出ないこのぐちゃぐちゃに熱を持った、
この心を見ずにいて。

そうやって目を瞑ったままで。

“あの人”に攫われないままで。

そっと近寄って。
そっと離れる。




 

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「目、つぶって」
「何だよ、いきなり」
「……」

触れたい。触れよう。
初めて思ったのはいつのことだったか。
覚えていない。
そうすること、そう思うことが当たり前－、当て嵌まるのはそれ。
触れることなんて自分たちの関係性でそれは日常的、ごく当たり前のこと。
けれどそれが意味があるか、意味がないか、
意識しているか、意識していないか、
その二つには大きな差があって。

兄貴は素直だ。
だからこうやって俺の願いを簡単に叶えてくれる。
そうやって騙して落として。

そっと触れた唇は微かに動揺した。
ごめん。
でもずっと兄貴の側にいられない俺はこんな風にしか
“あの人”に勝てない、そんな風に思ってしまうんだ。

だからってあの人だってずっと兄貴の側にいられるわけじゃないんだけど、ね。


そうやって心の中で笑ったのは誰？


「おま、何してんだよ」
「キス・・・かな」
「………そうじゃなくて」

苦笑いして、それでも許すんだ。
そうやっていつもいつもいつも。

勝てない、じゃない。
勝たないんだよ？