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版権二次創作を含んだ非公式ファンブログです。各版権元様とは一切無関係です。コードギアス、咎狗の血、デュラララ!!、その他について書き散らしております。え゙…と思われる方は、×(ぽちっと),←(ぽちっと)でさよならして下さいませ。
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drrr!! 静臨です
22話最後から23話途中までを全力で捏造(笑)

きりちゃん、君にあげる>私信






 



 『Eine Kugel』



雨が降っていた。普通に歩いていた。
ただの帰り道だった。
それが何だっつーんだ、この有様は。
嗚呼クソッ!

・・・・・。





探していた物体は簡単に見つかり、雨の中に転がっていた。
差していたんだろう傘は数10cm先に開かれたまま転がっていて、
その逆の方向にはサングラスが落ちてた。
せっかく流れ出している多量の鮮血は黒のベストとパンツに混じってただの黒色。
辛うじてはみ出している血だまりも雨と混じってあんまり綺麗じゃない。
なんだかなぁ…。

その場景をみて1番先に浮かんだコト。
そんな事決まってる。
嗚呼、これじゃあ俺の大嫌いなシズちゃんは死なないなってコト。

脇腹と右足、そんな所撃っても俺の大嫌いなシズちゃんが死ぬわけがない。
頭の足りない・考える事をしない奴等を使った俺の失敗ってことかな。

簡単に逝ってもらっても、俺としては全然お構いなしなんだけど、
何せ“しぶとい”っていうのがシズちゃんの反吐が出る所だからねぇ。

これじゃあ、シズちゃんとの殺し合いは暫く控えないと
楽には逃がしてくれないかもしれないなぁ…。


今日の夜は、仕込みが終わったらお茶の間で見学のだったハズだった。
けど、シズちゃんの最期を見ないなんて、そんな勿体ないことできるわけがないでしょ?
とりあえず言っとくと“ハズ”ってのは最初から
アイツ等にシズちゃんは殺せないだろうっていう思いがあったから。
それでも、万が一っていう事が起こるのがこの世界の憎たらしく楽しい所なわけで。
ま、そんな万が一が結局の所起こるはずもなく、俺は無駄に雨に打たれているわけだ。

土砂降りでもなく、小雨でもなく、普通の雨。


少し気が向いたからシズちゃんに近寄ってみる。
サングラスをかけてないシズちゃんを見たことがないわけじゃない。
目を瞑って寝ているシズちゃんを見たことがないわけじゃない。
目を瞑って倒れているシズちゃんを見るのは初めのことかもって思ったから。

冗談でも自惚れているわけでもなく、俺の顔は整っている。
でも、それでもシズちゃんの方がカッコいいと思うんだなーこれが。
別に悔しいなんて思わない。気分が悪いだけ。
それは、きっと嬉しいとか思っているからだ。

嗚呼、吐きそう。

雨に打たれて、長い前髪が顔に纏わりついている。
ムカつく顔をちゃんと見せないなんて許せないから、
そっと色素の抜けた髪をマシになるように整える。
やっとこの世で1番死んで欲しい顔が綺麗に拝めた。

雨の音を聞きながら、俺は答えのでない問いを頭の中に思い浮かべた。

どうしてシズちゃんってシズちゃんなんだろう。

シズちゃんの両親がセックスして、
射精一度あたりの精液が含む精子数は通常1億~4億程で、
このうち、腟内に射精された場合、子宮頸部に到達する前に約99%が死滅、
子宮まで到達できるのはおよそ数千~数十万、
排卵期に卵子の目前まで到達できるのはおよそ数十~数百であるという奇跡から、
受精、精子が卵(または卵細胞)の中に入り込み、
細胞分裂によって成長可能な状態になって、シズちゃんが生まれたと。
そこから、全妊娠の8~15%に生じる流産の危険を乗り越えてこの世に産まれたと。

そこまではこの世にいる俺の愛してやまない人間と同じなのに。

どうしてシズちゃんはシズちゃんなんだろう。
こんなに嫌いでこんなに死んで欲しくて、こんなにこんなにこんなに。

人を愛することはある意味、陳腐な言葉を引用すると、
俺の運命なのにどうしてシズちゃんはシズちゃんなんだろう。

嗚呼、やっぱり吐きそう。

まぁでも今はこうしてムカつく顔をじっと見つめていて、
それもシズちゃん自身がまったく気がついてないっていう
そんな莫迦みたいな優越感に浸ってみてるのも悪くないか…。


そうして普通の雨の降る中、俺は暫くの間、
シズちゃんの顔を指で突付いてみたり、
脇腹の撃たれた箇所を拳で押し潰してみたり、
右足の撃たれた箇所を上から踏み潰してみたりした。

けれど、何をしても反応が返ってこない事に若干嫌気がさした。

もういいやと、立ち去ろうと背を向けて数歩歩いた所で、
後ろからシズちゃんの呻き声がした。

え?もう?復活早くない?
そんなに長い時間シズちゃんの側にいたっけ?俺。


振り返るとシズちゃんはいつもと変わらない様子で立ち上がった。


「糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞糞!
 死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死!
 殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴殴!」


そして気配だけで気がついて俺に話しかけてきた。

「臨也、手前の差し金か?アア?コラ」

そこには本当にいつも通りのシズちゃん。
嗚呼、本気でもう少し違う箇所を撃って欲しかったよ。
1人以外はホント使えない可愛い奴等だよ…。

「違うよ、シズちゃん。
 拳銃の出所は知ってるけど、ヤラせたのは俺じゃない」
「つっても、手前がこの件に関しても絡んでるのはわかってんだよ。
 死ね!今すぐ死ね!しょうがねえから殺ってやる!」
「否定はしないけどさ、肯定もしないよ。なぜなら俺には黙秘権があるから。
 っていうかさ、シズちゃん。
 俺を殺るのはいいけど、今のシズちゃん全力出せないし、
 全力じゃないシズちゃんに殺られるほど俺弱くないし、
 とりあえず、新羅の所に行ってきたら?」
「アア?手前んなことで逃げられると思ったら大間違いだぞ」
「嗚呼シズちゃんってば相変わらず足りないよねぇ…」
「何だ?!殺んのか?」

完全に復活しているシズちゃんに俺は近寄っていく。
そして、撃たれた脇腹の辺りを中心にありったけの愛を込めて抱きしめた。

「手前、何やってやがる」
「ん?何って、シズちゃんを抱きしめてるトコだけど?」
「だから!何やってやがる」
「シズちゃん、恋は人を莫迦にするもんなんだよ。
 ああでもない、こうでもないって、悩んでもどうしようもないことや、
 よく考えたら簡単な問題でも全然解けないなんていう感じで
 熱に侵されてるから正常な判断ができないんだ。
 オマケに動揺したり脈拍数あがってみたりで、
 たまに奇怪な行動にでちゃったりしちゃうんだよ」
「は?」
「だから、そういうことだよ」

俺がそう言った後、シズちゃんがどんな風に思ったのかは知らない。
なぜなら俺はシズちゃんが大嫌いだから。
でもシズちゃんは、それから暫くは何も言わなかったし、身動きすることもしなかった。

俺、「痛い」って聞きたかったんだけどなぁ。







「ねぇ、何なの?それ」

俺が掌で転がせていたモノを見て、波江さんが声をかけてきた。

「ん?弾丸だよ。しかも人を撃ってその撃たれた体から出て来たやつ」
「あなたが撃ったわけ?」
「違うよ。俺、飛び道具はあんまり好きじゃないんだよねぇ。
 興味本位でその撃たれた人に、もし体の中に弾が残ってたら頂戴って言っておいたら、
 何も言わないで手渡しされたんだ。律儀というかなんと言うかねぇ…」
「・・・相変わらず趣味が悪いわね」

いつもよりはマシな顔で臨也が笑っている、
一瞬波江はそう思ったのだが、
そんなことはどうでもいいと資料を取るために階段を上がっていった。



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シズちゃんがすごくすごく好きです。
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バンギャ?であったりします。
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