腕の中で沈んでいく温もり

死ネタです。
24.5終わりです。

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目の前に鮮血を流している倒れている人間がいる。
それは紛れもなく、先ほどまで自分と話をしていた人物。
腹部から、口から血を吐き、崩れ落ちた後、
全く起き上がる気配もなく、ただそこに横たわっている。


ルルーシュ。彼の名前だ。





彼を罵り、総てを否定し、彼を撃ったのも自分だ。
それなのに、今は、それが全て自分のした事ではないように感じる。
現在（いま）が嘘（ゆめ）であるように感じる。

あぁ、この感じはなんだろう。

己の信じた道を突き進み、己の信念でここまできた。
ユフィは自分の縋るべきものだった。
目の前に不意に現れた主は護るべき存在だった。
その主を愚弄し辱めた者を討った。それでいい。
それでいいはずなのに。

あぁ、この感じはなんだろう。



自分の足で立っているのか、感覚もよくわからないまま、
動かなくなったルルーシュに近寄る。
見開いた紫石英の瞳は濁りなく美しく、名を呼ぶと返事をしてくれそうだ。

「ルルーシュ」

声は返ってこなかった。
見開いた瞳、僅かに開いた口、口から下は血に染まっている。
きっとルルーシュが見たら、顔を真っ赤にしながら、恥ずかしがるな。
そう思って、瞳と口を閉ざした。

そこには脱殻だけが残った。



死んでくれと心から願った。
罪を償え、罰を享けろと。


出来上がった現在（いま）が正しい。
なのに、どうして、自分は腕の中にある結果を正しく受け止めれない？


どんな理由があろうとも、正しくないことは正しくない。
間違っていることは間違っている。


どうして。




この哀れな少年にその答えがわかるのはいつか。
それが己が求めていない事であるから一生気がつかないのかもしれない。

何も言おうとしなかったルルーシュと、
何も聞こうとはしなったスザク。
誤ったのはどちら？

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離ればなれになって気付いた事
上手く歌えない

頭の中に住み着いている声
二人誓い合った　始まりの言葉

無理矢理自分を消してしまえれば
きっと楽になれる

頭の中に住み着いている声
終わりを飾る　第三の言葉

あの時には帰れない　誤ちさえ帰せない

あの時には戻れない　誤ちさえ戻せない

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