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版権二次創作を含んだ非公式ファンブログです。各版権元様とは一切無関係です。コードギアス、咎狗の血、デュラララ!!、その他について書き散らしております。え゙…と思われる方は、×(ぽちっと),←(ぽちっと)でさよならして下さいませ。
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トシマ入り、ヴィスキオ入り以前のキリヲとグンジの話です。
キリヲはこんな人であり、こんな人じゃないと思っています。
↑はっきりしなくてすみません…(滝汗)



-鯨呑の鯨鯢-


似たもの同士だからって、どうなるもんでもない。


男を拾った。最高に凶暴な雛(ひよこ)を。
面白いと思った。判断基準はそこだ。
けど、そいつは頭から喰いたい奴じゃなかったから殺らずに残した。
興味を持った奴を殺さずにおいたのは、初めてだったかもしれない。
だからって、別に殺れないわけじゃねぇ。
必要であるなら、そういう時がくれば迷うことなく殺す。
人殺しに抵抗はない。寧ろ愉しい。
愛だとか恋だとか、ヌルいもんはいらねぇ。
そんなもん、したこともされたことも、一度もない。

処刑人という肩書きを頂戴する前、
俺には他の肩書きがあった、らしい。
らしいっていうのは、
俺はそんなもん望んでなかったからどうでもよかったが、
周りがそう呼ぶからそうだったんだろうってことだ。
俺は、軍の中枢にいた。
といっても、お偉いさん方と違って頭を使う方じゃなく、
体力勝負の現場、前線。
他に面白いこともなかったから、
軍(退屈)の中でどう愉しむか、それを考えながら過ごしていたら、
どこをどうしたらそうなるのかわからないが、
意外に働き者だってことで部隊を託された。
位は大尉だったらしい。

託されるといっても、面倒だったから死ぬ気で戦えとしか指示しなかった。
ここに敵がいる、じゃあ大勢殺せるようにするにはどうしたらいいか、
それしか考えなかった。
相手さんがせっかく殺して下さいって言ってんだ、
そうしてやるのが一番イイ事だろう?
わざわざ出て行かなくてもいいと言われが、
そこに行かなきゃ人は殺せない。殺せないならここにいる意味がねぇ。
大勢死んで大勢殺した。俺は勿論生き残った。

戦場でいくら殺し放題だといっても、飽きはくる。
気まぐれで部隊の全員を敵と一緒に殺してやった。
周りが慌てふためいて混乱しているその時、その日だった。
雛を拾ったのは。

周りが静かになって、
俺は自分で殺した奴を椅子代わりにして煙草を吸っていた。
これからどうしようかと思いながら、自分で吐いた煙を見ていると、
ふいに人の気配がして、見ればそこに雛が立っていた。
死に損ないか?
思ったが、もうそれを殺るのも面倒で無視した。

紫煙を吐きながら、空を見上げる。
雲に覆われていて日差しはなかったが、空は明るい。
空を見上げるなんて遠い昔にしかやったことはなく、
久しぶり見ると新鮮だった。
ずっとそうしていると体の中から溜まった膿がでていくようで。
アァ、気持ちいいなァ。
自分のらしくない思いに笑って、煙草の火を消した。
体を起こすと、その雛はまだ側にいた。
カワイソーな亡骸の上で飛び跳ねながら。

コイツ、阿呆だな。

それが雛の第一印象だった。ハズレてはいなかった。
俺の視線を感じ取ったのか、雛はこっちを見て笑った。
真っ直ぐな子どもが持っている狂気の色を隠さない双眸。
それに応えるように笑ってやった。
雛が近寄ってくる間中、その笑みは俺の顔から消えることはなかった。

話をするとその雛はグンジだと名乗り、グンジも軍で使われていて、
人を殺すことが好きで愉しくてそうやっていたけれど、
最近飽きてきたのだと言った。
殺るのが飽きたわけじゃなく。
自分は愉しくてやっているが他はそうじゃない。
軍人が人を殺すのは、義務、責務であって、
純粋にそれが愉しくてやっているわけではない。
周りのそれと、上官の命令されることにも飽きたのだと。

仲間も敵も見境なく散々殺しまくってる俺の様子を
グンジは一部始終見てたらしい。

「アンタ、スゲーおもしれー。
 俺、おもしれーのがいい。
 他はなんかめんどくせーし、弱えーし。
 だから、俺もアンタのトコに混ぜてよ」

自分と似たような感覚、思いを持ってる奴には何人か会ってきたが、
グンジのようなガキに会ったことはなかった。
大概、同じような思いを持った人間とは遅かれ早かれぶつかることになる。
殺し合い、狂宴だ。
なまじ場数を踏んでくれば何かしら知恵がつく、
それがお互いに邪魔になることもあるし、
自分の欲求には逆らえず、少し交じり合ったとて相手を殺したくなるからだ。
似ているからその気持ちはわかる。
守りたいものなどない。あるとすれば、今の状況を守りたい。
ずっと殺し続けて、愉しく生きていたいと思うそれを。
グンジを殺らずにいるのは、
そいつらが持っていた知恵をグンジがまったく持っていないからなんだろう。
お互いに利は同じで、
似て否なる歪んだ鏡を前にそれを見るのが面白いから。

俺が敵諸共、部隊を全滅させたことは、
当たり前にあっさり上に知れて、軍から追い出された。
戦争も愚図愚図してきて、その内終焉するだろうことは
何となく感づいていたし、潮時だと思って除隊した。
俺がそうするとグンジも一緒にくっついてきた。
面倒なのはごめんだったが、
懐いてくるのに不必要には拘ってこないグンジは別に気にならなかった。
距離を知っているのかそれが地なのか、それはわからない。
何にせよ、他の奴は持っていない同じ匂いのするグンジを
気に入っているから側にいることは嫌だとは思わなかった。

一緒に行動するようになっても、
出逢ったときの印象は覆されることがなかった。
グンジは丸っきりの阿呆だ。
人を殺す痛めつける、それしか知らない。
気配、相手の戦闘能力を嗅ぎ取るのは素早く、
戦うことに関しての知識や勘、能力は天才と呼べるかもしれねぇが、
その他のことに関しちゃ赤子同然だった。
気の向くままに行動しては、やたらと死体をばら撒いていく。
人を殺して死体を増やすは俺も変わりはねぇが
グンジの場合は“やたらと”がつく。
本当に子どもと変わりがない。
それが俺はそれを面白いと思っていた。
生きてくると変な知恵がついて、
愉しいことも純粋にそのまま受け入れられなくなってくる。
そうしているのだが、他にあれやこれやと考えて行動するようになる。
面白い事、それに充実だが、それをどうやって料理してもっと面白くするか、
そういうことを考えちまうもんだ。
グンジはそういうことをまったく考えずに、
とりあえず手当たり次第に喰らう。
不味いもん喰うと腹を下すってのに、確認してから喰うなんてしない。
阿呆だが、ある意味、羨ましい。


外に出て暫くしてぶらぶらしていると、仕事の話がくるようになった。
俺らが出来る仕事、そんなの一つしかない。
好き勝手に暴れていたら、その様子を何処からともなく仕入れてきて、
利用しようとする人間は何時の世もいる。
別に金が必要なわけじゃなかったが、
骨のある奴を殺すのはまた一味違って面白いもんだ。
成功率は100%
軍仕込の狂犬、殺るのが好きな狂犬が2匹もいれば当たり前の数字だ。
何度か仕事をやり終えたが、
少しすればグンジはこの制限つきの仕事に飽きてきていて、
変に暴れだす前に休憩するかと思っていた矢先、
舞い込んできた仕事があった。
これを片付ければ休業だと言い聞かせ、
渋るグンジと連れ立って指定された場所へ向かった。
一介、一回の仕事に在り得ない金額を吹っかけても、
首を縦に振った依頼人代理の様子に、
その先へ待ち構えている人物がどれだけの者なのか興味があった。

ダルそうに歩くグンジの尻を蹴飛ばしながら到着したそこは倉庫街だった。
今回は何の指定もなく、
その場に居る者はすべて皆殺しにしてもいいとの事だった。
旨い話には何か裏がある。
そう思いはしたが、そんなことは端から関係ない。
ヤバかろうが何だろうが遊び場を提供してくれるだけでいいのだから。

「ジジー!腹へった」
「アァ?オマエさっきソリド食ってただろうが。
 ヒヨのくせに、腹は一人前に鯨なみかァ?」
「クジラー?バッカ、俺はあんなにしょっぼい目してねぇよ。
 こんなに可愛いデカイ目が見えねぇのー?
 図体でけーしジジイの方がよっぽどクジラに似てんじゃねぇ?ヒャハ」
「・・ダァレが、んなこと言ったよ。
 ガキはガキらしくちったー小食になれっていったんだよ」
「あんだと糞ジジイ・・・だいたいめんどくせーんだよ。
 ちまちまやってんのとかもう嫌だ。
 げーって・・・・オイ、ジジィ、アレ・・」

顔を前に向けると明かりの点いている倉庫が見え、
その前には可愛らしい番犬が立っている。
どうやら目的地に到着したらしい。

「いっちょお遊びといくか」

最初の番犬は簡単に片付いたが、
中には五十人くらいの飛び道具を持った男たちが控えていた。
なるほど、これほど執拗に固めているのを知ってのあの金額かと納得した。
いつもその辺に転がっているモノを使って仕事をして、
武器なんて持ち歩かないために
番犬から奪った銃もあっという間に弾切れで、
流石に突破するまで少し時間がかかった。
向こうさんが五人ほどになった所で、気が抜けたのかグンジがトチった。
どれだけ怪我をしようが自分で何とかしろよと知ったこっちゃないが、
イイ感じの殴られように思わず見惚れていたら背後から一人近づいてきた。
後ろを取られることに恐怖することはなく、
どう料理してやろうかと思案していると、目の前にイイモンを見つけた。
後ろの馬鹿が襲いかかってくる瞬間より、
俺がそれを避けてイイモンを掴むのが早かった。
呆気なく馬鹿は血をダラダラと美味そうに流し痙攣しながら沈み込み、
思いがけなくイイモンを拾った俺は笑っていた。
最後に隠れていた一人を試しに骨が砕けるまで殴り倒した。
俺の一生の相棒、ミツコさんとの運命の出逢いがこれだ。
ミツコさんを見たグンジはしきりに自分も何か欲しいと駄々をこね、
自分で探せと言うと、飛び出してそのままアイツは暫く帰ってこなかった。
帰ってきたと思ったら、何故か体中にタトゥをして、
手には鉤爪ナックルを着けていた。

「ジジ、いーだろ!コレ!」

帰ってきた途端に見せつけるように笑って言ったグンジに、
やっぱり阿呆だなコイツと思ったが、優しい俺はそうだなと頷いてやった。
けれど、その後にしつこく繰り返し自慢するグンジに苛ついて、
ミツコさんで殴って静かにさせた。
処刑人と呼ばれている二人のスタイルが確立した時ってやつだな。

その後で、俺ら二人はアルビトロに声をかけられる。
腐った人間が大好物な俺は、ビト子の話にすぐ乗った。
あの変態仮面の頭はおかしいが、そんなの俺だって変わりねぇ。
アイツの考えること、考えてることはわかったし、
たまに抜けてるのが愛嬌があって可愛いし、面白いじゃねぇか。
本人に言ったらヒスおこすから言ったことねぇけどな。
遊び場と愉しい遊びを提供してくれてるうちは、
大人しく飼われてやってる方がいい。

ミツコさんはいつまで経っても綺麗で、スマートだ。
グンジはいつまで経っても成長しねぇで、面白い。
見てると鬱陶しいけど、飽きねぇ。

・・・イイモン拾ったよなァ。まったくよォ。



 


あれ、なんかキリグンっぽくなるはずだったのに、おかしいなぁ…。
あたしはキリヲにお兄さん的でいて欲しいのかもしれない。
でもなぁ、キリグン書けるwwとかって思ってたのになって僅かにショック。
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グンアキを取扱中です。

drrr!!(現在アニメのみ)好きww
シズちゃんがすごくすごく好きです。
けれどdrrr!!はみんな好きだ!
静臨を取り扱い中です。

バンギャ?であったりします。
月と海の四弦さん好きです。
虹の歌うたい(ちっちゃいおっさん)が
世の中で一番好みです。

づか好き芝居好きです。
づかはどの組の大劇にも1回は出没します。
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