狗－17－

abingdon boys schoolの『HOWLING』を
聞いていて思いついたグンアキ文です。
あくまで、イメージですので、
貴教が好きだったり、absが好きという方で
不快に思われる方はご遠慮ください。


塞がれた瞼から　流れ出した涙
　　　　　　　　繰り返し蝕まれる　理性と血の欠片
　　絶え間なく　降りしきる　雨に打たれながら
　　　　　しがみつく　その背中に　深く爪を立てた
　誰かの　触れた夢の続きを
　　　　　遮る様に　閉ざしていたココロが
失う度に　覚醒てゆくチカラで
　　　汚れたこの翼が　夜を注ぎ込んで
　　　　　　　千切れるまで　君を抉じ開けて
　　　　　　浅い眠りの中　剥がれた想いが軋む
　　　　何もかも今は　全て消し去れたら

（Written by Takanori Nishikawa）

－HOWLING－ side AKIRA


アキラは自分を抱きしめるように体を丸めて、
放り出された床に横たわっていた。

起きられない体。
自分の体であるのに、自分のものではないように思う。

刻まれ増える創。
玩具を扱うように、好き勝手に自由を奪われる。
少しでも体を動かそうものなら、創が開いて血が滲む。

それもこれも自分が処刑人グンジに捕まってしまうという
失態を犯してしまったから。
自分の浅はかさを呪い、アキラは唇を噛み締める。

けれど、自分の思慮がどれほどのものでも、
あの処刑人の前では簡単に捻じ伏せられてしまうんだろう。

尋常ではない思考と尋常ではない力。

それを持ったあの二人の前に立てば“普通”の力の持ち主は
ヤツラの赤子の手を捻るようなそれで屈服させられる。

だからと言って、悔しさを感じずにはいられない。

悔しい思いばかりが巡り、体を動かすこともできず、
悶々とした時間だけが過ぎる。


何故グンジは自分に拘るんだろうか。

ふと過ぎる疑問。

アイツは今までこうやって特定の人物を
捕らえたりしたことはないと言っていた。

前に拉致されグンジの部屋へ連れてこられた時、
売り言葉に買い言葉を繰り返していたらグンジの口から聞いた。


「もっと鳴けよ、ネコ。他の猫に負けんなよォ・・・」
「・・・アンタ、他の人間もこうやって拉致してきてるのか？
　ホントに悪趣味だな」
「アァ？・・・・んな面倒なことするわけねぇじゃん。
　つか、アキラ、ホラもっと鳴いてみろよ」
「・・・・ッ・・・」


たまにしか呼ばない名前。
呼ばれることが嬉しいなんて思ってない。
ただ驚いて心臓が痛くなる、それだけだ。

他のイグラの参加者たちを甚振ってもここには連れてこない。
こうするのは自分だけ。
まるで特別みたいじゃないか。

思い当たって、瞠目した。

特別だとそう思い当たったことよりも、
そう思って嬉しいと思っている自分に。

頭がおかしいのかもしれないと思う自分と、
素直に嬉しいと思う自分と。

認めようとしない自分と、
認めたがっている自分と。

真っ二つに裂かれる心。

そして行き詰る。






何もいらない。

だから



素直になる心を俺に　　　。

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特に対にしようと思ってなかったんですが…、書いている途中にグンジverが路線変更したので、切り取り文を再利用しました（滝汗）グンジは直球ですが、アキラじゃ変化球になるらしいです（苦）そんな片思いグンアキが好きです。不毛ですかね…（泣）