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版権二次創作を含んだ非公式ファンブログです。各版権元様とは一切無関係です。コードギアス、咎狗の血、デュラララ!!、その他について書き散らしております。え゙…と思われる方は、×(ぽちっと),←(ぽちっと)でさよならして下さいませ。
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拍手においてあった話です。
高校生アキラとフリーターグンジの同居話。
すごく暑い日に書いた記憶があります。










-昼顔とブーゲンビリア-



「どっちがいいんだ?」
「あ~そうだなぁ・・・、イチゴ練乳かなぁ・・・、でもなぁ」
「・・・結局イチゴ練乳なんだろ、ほら」
「ソーダでいいのぉ?」
「・・・(そう思って買ってきたなんて言えるか)」


__________________________________


「あっちーっ!」

季節は夏。
当たり前に暑い。
ベタベタと纏わりつく空気、汗。
融けそうだと表現することがあるが、まさにそう思う。
堪らず声が出る。
こんな日は、冷凍庫でも冷蔵庫でもどっちでもいいから入っていたい。
そんなコトできるわけがないのはわかっているが。
我慢することは嫌いだ。

「俺が融けたらアキラ泣いてくれっかなぁ・・?」

恋人を思い出して、暫くぼーっとする。

今、何やってかなー?
今時間だからまだ学校だよなー。
真面目に授業受けてっかなー。

アキラのことを思えばキリがなく、延々と続く。
トリップしているそんな中でも、夏の太陽の日差しはグンジを攻めて、
ジリジリと焼くようなそれに、グンジはもう一度堪らず声をあげた。

「くそあちー!なんでここは室内が禁煙なんだよ!」

文句を言いながらも結局は裏口の喫煙所に通うのはグンジ本人で
誰のせいでもなく仕方ない事なのだが、
それにしたって…と少し叫んでみてもいいだろうと思う。

何度も通うのが嫌だからという理由で、
煙草のフィルターのギリギリまで吸ってから火を揉み消す。

流れ落ちる汗にイラっとして太陽を恨めしそうに睨んでから、
裏口のドアノブに手をかけて開くと涼しい風がグンジを覆った。
やっぱりこうじゃなくちゃな~と、
グンジは一気に機嫌を直してクーラーの効いた屋内へと戻っていった。



蝉の鳴き声は嫌いじゃないけれど、
余計に暑さを増長させてしまうというのは否めない。
もう少しで夏休みに入るのだからそれまでの我慢だ…と
いい方に考えこの暑さに堪えていた
-そういう風に思わなければやってられないのが本音-。

アキラの高校は公立で教室にはクーラーがない。
私立に通っているリンに言わせれば、
教室に空調がないなんて信じられないらしい。
それだけ高い授業料と諸々を親が知らぬうちに払っているから
校内全室空調付きなんてことができるのであって、
良心的な授業料+αの公立の学校にはできない贅沢だ。

でもこんな空調もない学校だけれど
別にそれでいいとアキラは意外と気に入っている。
夏は夏らしく、冬は冬らしく、季節が感じられるというのは
悪いことじゃないと、少し年寄りくさいことを思うからだ
-リンに言えば確実に軽くからかわれるだろう-。
確かに我慢できないような暑さ寒さはあるけれど、
昔は今よりずっと不便だったのだから、それを思うと今は何でも贅沢なのだ。

けれどリンの考えを一方的に悪いと思っているわけじゃない。
文明の利器、それに甘んじている自分がいるのも確かで。
帰宅すれば、真っ先にエアコンのリモコンに手が伸びるのだから。
それに窓を開けて扇風機で過ごそうと思っていても、
手間のかかる同居人が帰宅すると、
必ず窓を開けたままエアコンのスイッチを入れるのだ。
仕方なくアキラは窓を閉めに行き、
戻ろうと歩き出してアイツのソファの定位置の前を
そのまま過ぎようとすると、腕が伸びてきて捕らえられる。
そうしてせっかく点けた冷房も意味がなくなる。

何故グンジはあんなに体温が高いんだろうか。
抱きしめてくるグンジの体はいつも熱い。
冬にはいいのだけれど、夏には正直勘弁して欲しい。
あまりベタベタするのは苦手だから、
恥ずかしくなって自分の意思と関係なくアキラの体温も上がる。
悪循環だよな…。

そんなことを思いながら、遠くから聞こえてくる
説教じみた夏休みの諸注意を淡々と喋る教師の声を聞いていた。
上の空なのはアキラだけじゃなく期末テストも終わった今、
教室の中はだらけた空気と夏休みに馳せる各々の思いでいっぱいだった。

授業がないということは幸せな事だったが、
この猛暑の中、一番暑くなる時間に解放されるのだけは最悪だと、
うんざりしながらアキラは駅までの道を歩く。
背中には汗を掻いていて、アキラとシャツは密着している。
今日は我慢せずに冷房をオンにしようと、
電車の中、人心地ついたアキラは窓の外を見ながら決めた。



「グンジの奴・・・」

暑すぎて買い物の荷物を持つことが億劫でそのまま家に帰宅し、
リビングに入ったアキラだったが、目の前の現状を見てまたうんざりした。
片付けて行けって言ってるのに…
溜息を吐きながらも、エアコンの冷房ボタンを押してから
散らかっている服や雑誌、ゴミを纏めていく。

終わる頃には部屋の温度も快適になっていた。
ソファに凭れてしばしの間、じっとする。
普段はまったく感情を表に出したりしないアキラ。
こんな一時が幸せだと感じて口にすれば、
きっと周りの皆は口を開けて呆然とするに違いない。
その顔を想像して、少し笑って目を閉じた。
熱を持っていた体が段々と冷やされ、心地がよくなってきたアキラは
そのまま眠りに誘われていった。


「ただいまー・・・っと」

グンジが家に戻ると、部屋についている明かりがまったく点いていなかった。
アキラは帰ってないのかとがっくりと頭を垂れて、
玄関に入るとアキラの靴を見つけた。
嬉しくて、大きな声をかけながらリビングに入ると、
アキラは珍しくソファの上で寝ていて、グンジは思わず身を反らせて黙った。

できるだけ音を立てないようにグンジはそっとアキラに近づく。
閉じられた瞼の下の眼球が少し動いている。
アキラは夢を見ているのかもしれない。どんな夢を見ているんだろうか。

揺り起こしたい衝動をグンジはぐっと耐えた。
アキラがあまりに幸せそうに眠っているように見えたから。
それを見ているだけで自分も幸せになるような気がした。
以前のグンジにはまったくなかった感情の動きだ。
だからといって、自分が1番!のグンジには
放っておかれる、放っておくというのは酷い責め苦だ。
このまま見ていたら、確実に起こす自信がある…、風呂入ろう。
思い立ったら即行動のグンジは、足早に浴室へと向かった。


水音が聞こえてくる。
規則的ではなく流れるままに任せた音。
リズムはバラバラでも不快感を覚えない。
滴る音が柔らかいからなのか、よくわからないけれど。
人間は海から来たというからそれでなんだろうか。
じっと耳を澄ます。

ふいに目の前が暗くなりアキラの顔にどこからか雫が落ちてきた。
少しずつ目を開けていくと、20センチ先のグンジの顔が像を結んでいく。
あまりに近くにあった顔に驚いて瞠目しているアキラを
グンジはニヤッと笑ってチュっとわざと音を立ててキスする。

「・・バッ・・」

飛び起きるアキラを見て、
グンジはまた笑ってソファの空いたスペースに腰を下ろした。

「何やってるんだよ」
「ん~風呂入ってた」
「そうじゃなくて・・・」
「何?」

……会話にならない。
諦めたアキラは溜息を一つ落として、グンジを見た。
タオルを頭から被って伸ばした金髪から雫を滴らせている。
確かに風呂に入ったんだろう…それにしたって濡れすぎじゃないか?
グンジの被っているタオルに手を伸ばし、アキラは水を拭っていく。
ガシガシと少々乱暴に拭いているのだが、
そうされているグンジは大人しくアキラにされるままになっている。

「グンジちゃんと拭いてから出て来い。
 オマエの歩いてきた通りに絨毯濡れてるじゃないか。
 どうせ廊下もそうなんだろ・・・」

髪を拭いてやりながら、子どもを諭すようにアキラは言うが、
言われているグンジはきっと聞いていないんだろう、
される行為が気持ちがいいのか目を瞑っている。
まったく面倒な同居人だ。
一緒に暮らすことを提案したのは自分だから、これを自業自得というのか?

「ほら、出来た。あとドライヤーで自分で乾かせよ」
「えー!めんどくせーって。ほっといても乾くじゃん」
「またシキにネチネチ嫌味言われるよりマシだろ?」
「そうだけどさぁ、暑いのに熱風なんて勘弁しろって感じぃ」
「・・・・ドライヤー持って来い。乾かしてやるから」
「おー!」

シキというのは友だちのリンの兄で、世に言うカリスマ美容師らしい。
リンの友だちだからということで、アキラの髪もグンジの髪も
シキに面倒をみてもらっている。
カリスマと呼ばれるだけあって、
人気があるようで予約も随分先まで埋まっているらしく、
そんな人にいつも飛び込みでカットやカラーをしてもらっているんだから、
周りから見ればすごくいいことなんだろう。
けれど、シキは完璧主義というか、口うるさくて仕方なかった。
髪をきちんと乾かすことは勿論、乾かし方、手入れの仕方まで
事細かく指示してきて、それを守らないと次にサロンに行った時に、
髪の状態をチェックしながら、くどくどとお咎めを受けるのだ。
グンジは身なりに自分のこだわりがあるみたいだが、
アキラはまったくの無頓着で、あまりに五月蝿いシキが苦手だった。
それで途中で別のサロンに行ってみたのだが、
結局、カットの仕方もその後の具合も気に入らず、
アキラはシキの技術のすごさを少しばかりわかったような気がした。

グンジが暑いと叫ぶために、アキラは仕方なく冷風で少しずつ乾かしていく。
こうしたことが多々あるために、人の髪を乾かす技術、腕は上がっていき、
手馴れた様子で半分乾いた所でブラシを通しながら整えていく。
グンジの髪を触りながら、自画自賛まではいかないが、
自分はこういうことをするのに向いているのかもしれないと思う。
自分に何か夢があるわけでないし、将来美容師になるものいいのかもなと
思ったりすることもあるのだが、
シキと同業者になるという事を考えると二の足を踏むアキラだった。

最後に一度髪全体にブラシを通して終わる。
ただいつも困るのは乾かした後は
通常より真っ直ぐに伸びて長すぎなグンジの前髪だ。
ポリシー?らしく、グンジは絶対に切らない。
シキさえ根負けして、ある程度の長さまでしか切らないようにしている。
アキラからすれば鬱陶しいだけのものも、グンジには必要らしい。
少し考えて、家でいる時にいつもしているようにゴムで括ってやる。
仕事の時はヘアピンで留めている・やるのだけれど、
家にいるだけのこの時間は簡単でいいだろう。
二十歳を超えた大の男が前髪をゴムで束ねる様子は滑稽なだけだろうに、
グンジはそれが似合うから不思議だ。
目の前で機嫌よく笑う男を見ながら、アキラも笑った。

「アキラー、腹へった」
「あ、買い物してこなかったんだ。・・・コンビニ行くか」
「行く!」
「着替えてくるから待ってろ」

立ち上がったアキラの後を当然のようについてこようとするグンジを
ソファに押さえつけて、アキラは一人でリビングを出た。
ついてこられると確実に食事どころじゃなくなるのがわかっているから。

廊下を歩くと当たり前に熱と湿気が纏わりついてくる。
在り合わせで、そうめんとかでもよかったかもな…と後悔しながらも、
コンビニに行く気まんまんになって買うものを考えているだろうグンジに
きっともう言い出せない…と項垂れながら
階段を上っていくアキラ(17)だった。







すごいくだらない話なんですが、すごくアキラが所帯じみてるんですが、ちょっと楽しかったです(笑)
何よりカリスマの件が自分で大好きで楽しくて楽しくて。
この設定の別話を書いて放ったらかしとか…(撃沈)

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自己紹介:
女子です。腐女子です。
基本、ユルいです。

ギ/アス猛烈愛
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女子相手でも右です。
言ってしまえば、総受です。
スザルル・シュナロイを取扱中です。

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シキアキ&グンアキ愛
グンジが可愛くてしょうがありません。
グンアキを取扱中です。

drrr!!(現在アニメのみ)好きww
シズちゃんがすごくすごく好きです。
けれどdrrr!!はみんな好きだ!
静臨を取り扱い中です。

バンギャ?であったりします。
月と海の四弦さん好きです。
虹の歌うたい(ちっちゃいおっさん)が
世の中で一番好みです。

づか好き芝居好きです。
づかはどの組の大劇にも1回は出没します。
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