祈り-呪文-の果てにみるものは

スザルルです。
ルルが何やらスザクを想っています。

ルルが乙女です（笑）

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白には白。
そう決まっているのかもしれない。

汚れている…、そう自分の手はもう赤黒く染まっている。
色のついてしまっている自分の手はもうどんな色を混ぜたとしても
漆黒の黒に変わってしまう。





「ルルーシュ」

自分をそう呼んだのは、スザクだった。

「何だ」

手短に、それでも不快そうではない顔をして答える。

「会長さんが探してたよ」
いつもの穏やかな顔が自分を見つけて、近寄ってくる。

その顔を見ると、決まって重い塊がルルーシュの中に現れる。
別にスザク自身が原因ではない。
これは自分の中の問題であって、
勝手にどんな気持ちでそんな顔をすることができるのだろうと
そんな風に考えるようになったから。




父を殺めた。
「間違った」出来事。

１７の自分と１０のスザク。
その差は大きい。

１０の自分は人を殺めることに対して、どう思っていただろうか…。
周りは敵ばかりで、気を張って生きてはいた。
ナナリーを守るためならば、人を殺めることくらい容易いと思っていた。
しかし、本当にそうなった場合に、自分はどう思っただろう。
守ること以外は空虚だった自分はどう思ったのだろう。

クロヴィスを殺した後、ルルーシュは震えた。
自分のしたことを後悔しているわけではない。
自分で直接手を下したそれが、人を殺めたという事実ではなく、
自分の義兄であったものを殺めた事実が怖かったのだと、自身で認めた。

非情な自分は、名ばかりの小者に手を下すのは、足がかりには丁度良かったと、
駒がやっと動きだしたことに興奮していたが。






スザクは言った。

「俺は…」

「僕は-------二度と、自分のために力を使ったりしない」

そう言った。


己を閉じ込めてしまった呪文。


マオの副産物とはいえ、瞠目してしまった。
あの時のパズルの一片に。


自分はどれだけ汚れてもかまわない。
スザクだけは、スザクだけは、真っ白なままでいて欲しい。
こちらをまっすぐ翠瞳で見つめて「変えていく」そう言ったスザクを
凛とした背中を見せたスザクを
ルルーシュは失いたくなかった。

ナナリーとスザク。
この二人は己がどうなろうと、どれだけ力を使おうとも、真っ白なまま
何事も動じず、決して失われない、天空に浮かぶあの光のようにいて欲しい。
その光を受けて慎ましく淡く輝くあの光でいて欲しい。





「どうかした？」
不思議そうに、ルルーシュに向かって問いかけるスザクは、
再会してからのスザクで、穏やかな笑顔を向けてくる。

どうか、どうか、
自分が守れますように…。
自身の「希望」の光を。

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お馬鹿さん（＆乙女風味）ルルを初めて書いてみました。
絵空事。
覚悟がたりないというか、まだまだ甘いルルが可愛くてしょうがないんです。
身内に甘く、それ以外はどうでもよく。
 スザク：「間違ったやり方」＝「父を殺したこと」の図式で書いてます。
つか、守れますようにじゃなく、守ってやるのだぁぁ！的でいて下さい（笑）