CIVILIZE

捏造すぎる捏造です。

ユフィが好きな人は注意が必要。
クロヴィス殺害ではスザクではなく、
他の名誉ブリタニア軍人に容疑がかかり処刑されようとした。
ゼロがその名誉を助けたのは、
自分の存在を表に出すため（おもしろくねぇ話…。←心の叫び）
スザクとギアスの関係はない。

上記を踏まえた上で了解であればどうぞ。。。

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スザクにとって一番大切なものは何か。
スザクにとって最も守りたいものは何か。

「ルルーシュ」

彼は即答する。

ルルーシュがナナリーの事を一番に考え、
守るためならば、どんな事も遣って退けるように
スザクもルルーシュのためならば、どんな非情な事も顧みずにできると言い切れる。

…ルルーシュのそれと自分のそれは違う。

自分の想いは慈愛にみちたそれではなく、
優しさ、醜さ、混沌とした矛盾が入り交じったものだから。

自分の浅ましさをどう思うこともない。
自分の中の『情』すべてを肯定し、言い切れる想いを恥じることがないから。
それほど焦がれているから。





この所、学校に姿を現すことがなかったスザクが、
久々に教室にやってきたその足で前置もなく
「後で話がある」
とルルーシュを誘った。
何事かと思い、どうかしたのか？と問うと、
ただ、話がしたいとしか言わないスザクに
ルルーシュもスザクが意外と強情で強硬なところがあるのを知っているため、
それ以上は言及することはなかった。

その奇行の後、スザクの行動に何ら不可思議なこともなく、
いつもの温厚な枢木スザクであったから、
クラスメイトは勿論、ルルーシュさえ気になりはしたが、
久しぶりにスザクに会ったことを素直に嬉しいと思うことにして、
あの違和感を忘れていた。





授業が終わり、放課後、ルルーシュとスザクはクラブハウスに一旦荷物を置き、
咲世子さんの紅茶も丁重且つやんわりと断りをいれて
学園内にある人気の少ない講堂へやってきた。
中に入ると、勿論のこと人は誰もおらず、二人は静か過ぎる講堂へと足を踏み入れた。



日が落ちるにはまだ早い時間、オレンジ色の夕日が講堂を美しく染めあげる。
綺麗だと素直に思い、美しい情景を観賞しながら、
ルルーシュは少し感傷に浸る。


思えば、スザクとこうして会うのはいつぶりになるのだろう…。


神根島でユフィ、シュナイゼルと再会した。
あの日、か。



心のうちで自嘲気味に笑う。



あのユフィに、まさか鎌をかけられるとは思っていなかったな。



ゼロの正体を知ったからには、何とかしなければならないと思ったが、
何も知らない、何もできない、ふわふわと笑っているだけの綺麗なままのユフィが
何らか行動を起こすわけでもないだろうとそのままにしておいた。
しかし、この辺で様子を窺っておいた方がいいだろうか。



ルルーシュがそんな風に頭を巡らせている間、
一方のスザクは人形のような顔をしていたが、次の瞬間には、
今朝の、誰にも有無を言わせぬ姿のスザクがそこにあった。





ルルーシュにとって、スザクは“疑う”人物ではなかった。
対面した時のインスピレーションと
会話をしているとその人物の人格、傾向や、知能指数など
大抵のことは当たり前にわかること。
このエリア11・日本に来た頃から、特に注意深くなっているルルーシュにとって
その見極めは慎重に、また迅速になされるようになっていた。
少しでもおかしなところがある人物には
言葉を選択し、余計な情報は出さないようにする。
だからといって、上辺だけでも“友人”と呼べるそれらにも
それなりに気をつけるようにしていたが。
その友人たちとも違うポジションにいるのが、スザクであった。
ルルーシュにとって、初めてで、他は存在しない唯一の“友だち”であったから。
スザクはルルーシュを<知って>いたし、ルルーシュもスザクを<知って>いる。
勿論、ルルーシュにスザクのすべてがわかっているというわけではなかったが、
（第一にルルーシュはスザクがゲンブを殺していたことを知らなかった）
それでも、ルルーシュは現時点でもそう思っているのだ。
ルルーシュにとってそれであるから、スザクを“疑う”などということは、
爪の先ほどないこと…。


その、スザクを信じて已まないルルーシュが、気がつくはずはなかった。
スザクが自分のもっているルルーシュへの想いを、
いつの頃からか“友だち”と呼べるそれではないと知ったことなど…。
そしてその想いのために、どう今までを過ごしてきたかを。





「ルルーシュ」
澄んでいて、そして、強い口調で、スザクがルルーシュを呼ぶ。

ルルーシュはゼロとしての思考を取り払い、スザクに目を向ける。

目が合ったとき、耳鳴のような警笛が鳴ったような気がした------------。