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版権二次創作を含んだ非公式ファンブログです。各版権元様とは一切無関係です。コードギアス、咎狗の血、デュラララ!!、その他について書き散らしております。え゙…と思われる方は、×(ぽちっと),←(ぽちっと)でさよならして下さいませ。
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スザルル 捏造騎士皇子
パラレル…パラレル…。
日記でも言い訳しましたが、ホント、こんなのですみません…。




 



-エトワール-


共にどこまでも。
忠誠を誓う。
儀式など必要はなかった。
初めて会った時にすでに囚われている自分には。


「・・・f6に進め。5秒後に接触する。そのまま討て。以降は待機するように」

的確な指示。それに応える兵士。
もう終わりだな…そう思った時、目の前の主君から自分に命令が下る。
決してこちらを見ず、淡々と。

「枢木卿、御前の出番だ。敵の位置は頭に入っているな」
「はい」
「残りの戦力を根こそぎにしてこい」
「イエスユアハイネス」

表に出て行った後は何の指示もない。

周りを見渡し、モニターも再度確認する。動くものはもうなかった。
ふっと息を吐くと通信が入る。
ただ一言。

「戻れ」
「イエスユアハイネス」



騎士はただ主君を警護するだけではない。
主君が政を円滑に行えるようにサポートする、その役割も担う。

戦闘の後、スザクは体を休めることなく、
参謀機関から指示を受け、書類を預かり廊下を歩いていた。
広く、殺風景な廊下を。

前方から誰かがやってきていた。
けれどあまりに遠くのため、人物の判定はできない。
幾人かを連れ立っているというシルエットから、
位はあるらしいとの情報を得る。

そして、あまり自分の得意ではない人物だと知る。

スザクは書類を反対に持ち替え、利き腕を胸に当て俯き、
仰仰しく隅に退き道を空ける。

「スザクくん、そんなに改まらなくてもいいんだよ」
「いえ、私は一介の騎士にしか過ぎませんので」

目の前の人物は、和らげた表情でこちらを見ていることは知っている。
そして、その本質も。

「いつまで経っても、僕には笑ってくれないんだね」
「そんな・・・。申し訳ございません」
「いいんだよ。君の流儀は理解しているつもりだから。じゃあ、ルルーシュによろしく」
「はい、お言葉承りました」

甘い、好まない残り香を残して立ち去る。
足音が僅かに聞こえるようなった所で、スザクは漸く顔を上げる。

あの方は苦手だ。
苦手…、それ以外の言葉がうまく当てはまらない。
敵。
自身の、ではなく、自分の主君の、敵になるだろう存在。
だからといって、斬殺すとは考えない。
自分は騎士だ。
己の主君を護るためにある騎士。
命令を受けなければ動くことはしない。
主君を傷つけるまねをしなければ動くことはしない。
そう、世界はすべて自分の主君を中心に廻っているのだから。



執務室に戻ると、机の上の書類に視線を落としたまま声をかけられる。

「戻ったか」
「はい」

足を進め、手にした書類と共に連絡事項を報告する。
「わかった」そう言った後、
目の前の主君は、部屋に居た者に出て行くようにと視線だけで指示した。
扉が閉まると、一つ溜息をつき、視線が絡んだ。

「どうした、スザク。何かあったのか?」
「いえ、なにも」
「スザク・・・」
「本当になんでもございません、殿下」
「どうせまた、兄上とでも遭遇したんだろう?」

そうして自分の心は見透かされる。
囚われるその前もその後も。

ずっとこうだ。

特に表情にも態度にも出した覚えはないのに、いつもいつも見抜かれる。
こんな調子では、いつまで経っても…。
情けない自分を叱咤しながらも、嘘はつかない。

「はい」
「そうか、気にするな。まだ大丈夫だ」
「はい」
「スザク」
「はい」
「今日の出来はよかった」
「ありがとうございます」

不甲斐ない。

これでは、本末転倒もいい所だ。
自分が主君に慰められていては仕方ない。
もっと自分を鍛えなければ。
仕える身としてもっとしっかりしなければいけない。



毛の長い絨毯の上は、足音一つしない。
スザクは扉の前に立ち、ベッドを整えている侍女をじっと見つめていた。

スザクはたった一度、主君に願いを請うたことがある。
それは今行っているこれだ。

騎士とは勿論、主君を護るためにあるが、
プライベートまで土足で入るようなことはない。
(公人であるため、殆んどプライベートなど存在はしないけれど)
そうであるから、主君の寝室まで立ち入ることは、
職務の伝言のため仕方なく訪ねてくることはあるが、
それ以外はないに等しい。

事由は言わずもがな、主君にある。
スザクがルルーシュの騎士になってから、
寝室で侍女に襲われたことがある。
それ以降、こうして侍女が寝室を出て行くまで、
自身が警護する許しをもらったのだった。

「終わりました。では失礼致します」

今日も異常はなく、スザクはルルーシュ近づいて行った。
ルルーシュは寝具から半身を起し、こちらを向いている。

「では、私も失礼致します」

一礼し、扉へ向かおうとすると呼び止めるように自分の名前を呼ばれた。
体を反転させて、主君を見る。

「どうかなされましたか?」
「スザク」
「はい」
「今日は少し疲れた」
「・・・では、もうお休み下さい。殿下がお休みになるまでここにいます」

零れ落ちた言葉には、嘘がなかった。
ごく稀にこうしたことがある。
普段は欠片も見せない弱い心。
張り詰めたものがあふれそうになると、スザクの前でそれを見せる。


結局、あの時、ルルーシュを襲った侍女は
誰から命令されたのかはわからず仕舞い。
聞く前にスザクによって息を止められてしまっていたから。
顔色も変えずに、動かなくなった侍女を見た後、
ルルーシュはスザクに言った。
「誰の差し金か聞く前に殺しては何にもならないじゃないか」
職務を忠実にこなしたスザクに呆れたようにそう言ったのだった。

慣れている。
当たり前のこと。

四面楚歌。
言い過ぎかもしれないが、それに近しいものがここにはある。
力が総て。
その世界で生きているのは、息が詰まる。


柔らかい顔をして、ルルーシュは布団に身を沈める。
目を瞑って暫くすると寝息が聞こえてきた。
少し寝顔を見つめてから、椅子から立ち上がる。

そうして、ベッドの縁に膝を折り、静かに頭を垂れる。

一生お側におります、ルルーシュ殿下。
私のすべては貴方のものです。

貴方に忠誠を誓います。







スザルルでなければ書けないんだけれども、別にスザクじゃなくてもよかったんじゃないのか…と激しく書き終わって思いました。誰ですかこの枢木スザクとかいう人、本当にこーどぎあすの枢木スザクですか?(滝汗)反省しましたが、この調子で次も書こうとか思っています(反省してないぢゃん…苦)

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グンジが可愛くてしょうがありません。
グンアキを取扱中です。

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シズちゃんがすごくすごく好きです。
けれどdrrr!!はみんな好きだ!
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バンギャ?であったりします。
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